東京ディール協奏曲

M&Aだハゲタカだなんて言葉にすっかり馴染んだところですが、
本格的なMA時代到来といわれる中、その実態、「現場」の取引が
どうなっているかってところは正直よくわかりません。


そのあたりを面白く描いたのが「東京ディール協奏曲」。
都市銀行から金融アドバイザーにひょんなことから転職した20代の主人公が
企業買収を画策する巨大外資系金融機関を相手に大手電機メーカーの
子会社のMBOに乗り出すという話。
主人公の上司となるやり手の金融アドバイザーのアバウトだけど
確かな行動力と判断力に男気を感じる、爽快な仕上がりとなっております。
書評をみると「リアリティ」「ダイナミック」の言葉を多くみられ
たしかにスピード感溢れるし、実際の現場も大きな賭けでもあるだけに
ダイナミックで危険なものであろうことが、ど素人なりに理解できました。
「大手電機メーカー」の描写は、元メーカーなわたし的にはリアルすぎました。
同じような話、ありましたしね。


著者は栗山誠、これはペンネームなんですが、フィクション言えども
外資銀行やコンサルの実務経験があり「現場」に精通しているだけあって
リアリティ溢れる作品に仕上がっている、とは「現場」系の方々の感想。


知人の処女作ってことで特にご贔屓にさせていただきます。
とても読みやすい本ですよ。ホットなうちに映画化してほしい作品。

東京ディール協奏曲

東京ディール協奏曲

東京ディール協奏曲